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残された戦後処理のすみやかな解決を求める共同の訴え(2020年8月12日)

 2020年8月12日、「全国空襲被害者連絡協議会(全国空襲連)」「民間戦争被害の補償を実現する沖縄県民の会」「韓国・朝鮮元BC級戦犯者「同進会」&「同進会」を応援する会」「シベリア抑留者支援・記録センター」の4団体は、共同で「8/12残された戦後処理のすみやかな解決を求める共同記者会見」を衆議院第二議員会館にて開催しました。


残された戦後処理のすみやかな解決を求める共同の訴え

 戦後75年の8月15日を迎えます。

新型コロナ・ウィルス感染拡大で、「国難」が強く叫ばれ、「コロナとの戦争」とも言われています。しかし、75年前に終わったはずの戦争の後始末が終わらず、戦後処理に関わる問題が、なお残されていることに私たちは、強く注意を喚起し、すみやかな対応を訴えます。

広島・長崎だけでなく、全国各地で米軍による空襲の犠牲となった民間人被害者の問題、空襲だけでなく地上戦や艦砲射撃の犠牲になった南洋諸島や沖縄の民間人被害者の問題、台湾や朝鮮半島から動員された外国籍の元BC級戦犯者の問題、戦後ソ連に抑留されて命を奪われ、強制労働をさせられた抑留被害者の問題、フィリピン残留日本人の国籍回復問題、などです。

すでに対処する法律が制定されているもの、法律案ができていて国会提出が待たれているもの、現在法律案を準備中のもの、補償予算は要せず措置が必要なもの、と各々ケースは異なりますが、いずれも犠牲を強いられてきた当事者らが戦後長く解決を求め続けてきた問題です。多くは裁判に訴えましたが、司法の場では解決できませんでした。残された道は、国会が動いて、解決に道筋をつけることしかありません。

戦後50年からさらに四半世紀が経過して、戦争を体験した当事者らの数はすでに10分の1以下にまで激減し、事態はひっ迫しています。

本当に時間がなくなってきていると関係者は切実に感じていますが、政府や国会の対応が鈍く、長年先送りが続いていることに、一同焦燥感をつのらせています。戦後75年もたって、国策で遂行された戦争の後始末のできない日本国を恨み、不条理に深く傷ついたまま、被害者が次々この世を去るという不幸な歴史が刻まれ続ける事態は、すみやかに是正され、終わらせるべきです。

新型コロナ対策や豪雨被害の対策に比べれば、予算規模はずっと小さく、決断すればすぐに実現できる措置や取り組みです。基本は人道・人権の問題です。すみやかに決着させて、新型コロナや豪雨、気候変動などの地球的規模の問題に集中して取り組むことが望まれます。

早急に臨時国会を開いて、新型コロナや豪雨対策と併行して、これらの問題を関係委員会で議論し、準備されている法律案を成立させ、対策を急ぐべく党派を超えて立法府がイニシアティブをとっていただけますよう強く訴えます。

メディアや世論もこの機会に一層関心を寄せて、問題解決に向けて後押しをしていただけますよう訴えます。

                          2020年8月12日

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